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シクロデキストリンシンポジウム
γシクロデキストリン包接体の溶解性向上メカニズムに関する検討
松岡楓太、近本啓太、古根隆広、石田善行、寺尾啓二
第42回シクロデキストリンシンポジウム(神戸)(2026.09.10-11).
コエンザイムQ10(CoQ10)などの腸管吸収性の低い脂溶性物質はγシクロデキストリン(γ-CD)と水分散性の高い包接体を形成することで生物学的利用能が向上することが知られている。そのメカニズムとして、経口摂取した場合、CoQ10単体では凝集体を形成し、腸液においてほとんど溶解しないため吸収性が低い一方、CoQ10-γ-CDの場合は、γ-CDと親和性の高い胆汁酸と置き換わることでCoQ10が1分子ずつ放出され、効率よく胆汁酸ミセルに取り込まれるため、吸収性が高まることがわかっている。本研究では、これらの脂溶性物質-γ-CD包接体の吸収促進メカニズムをさらに明確にするため、腸管内を模倣した条件において、γ-CDの消化性およびCoQ10の溶解性の挙動に着目し検討を行った。
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シクロデキストリンシンポジウム
α-シクロデキストリン摂取による腸内細菌叢への影響
近本啓太、長谷川莉沙、吉川豊、石田善行、寺尾啓二
第42回シクロデキストリンシンポジウム(神戸)(2026.09.10-11).
我々はこれまでに、α-CDの摂取がSCFAs量および腸内Bacteroides属の存在割合を増加させること、さらに様々な健康増進効果を示すことを報告してきた。しかし、これまでの検討では属レベルでの解析にとどまっており、α-CD摂取によって変動する細菌種については十分に明らかにされていない。また、既報においてもα-CDの摂取と関連する菌種の探索は限定的である。そこで本研究では、α-CD摂取により変動する腸内細菌種を探索することを目的として、α-CDを摂取させたマウスの糞便を用い、糞便由来DNAのアンプリコンシーケンス解析およびPCR法により腸内細菌叢への影響を評価した。
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シクロデキストリンシンポジウム
大根中の辛味成分MTBIに対するα-シクロデキストリンの影響
長谷川莉沙、上野千裕、近本啓太、石田善行、寺尾啓二
第42回シクロデキストリンシンポジウム(神戸)(2026.09.10-11).
アブラナ科の植物には辛味成分であるイソチオシアネート(ITC)類が含まれており、抗肥満作用や抗菌作用、抗がん作用などを示すことが知られている。大根やかいわれ大根には4-メチルチオ-3-ブテニルイソチオシアネート(MTBI)が主要なITCとして含まれており、大根の辛味はMTBIによるものである。MTBIは他のITCと比較して加水分解を受けやすく非常に不安定な化合物であることが課題となっている。我々はこれまでに、大根をα-シクロデキストリン(α-CD)とともに粉末化することでMTBIの安定性が維持されること、大根-α-CD粉末の抗肥満効果を報告している。そこで本研究ではα-CDによるMTBIへの影響を検討するため、MTBIの人工胃液での安定性や腸管吸収性モデルであるCaco-2細胞単層膜を用いた透過性試験を実施した。
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シクロデキストリンシンポジウム
シクロデキストリンを用いた植物由来プロテアーゼ活性の安定性向上
行武詩織、近本啓太、石田善行、寺尾啓二
第42回シクロデキストリンシンポジウム(神戸)(2026.09.10-11).
近年、高齢者におけるフレイルやサルコペニアの発症予防を目的としてタンパク質の摂取が推奨されている。さらに健康や美容のために良質なプロテインの摂取は必要不可欠である。しかし、タンパク質を過剰に摂取すると体内で消化されずに大腸で悪玉菌の餌となり、腸管バリア機能の低下や不快な体臭、肌荒れなど身体に様々な影響を及ぼす。そのため、タンパク質摂取時に消化を助けるプロテアーゼを含む食品を一緒に摂取することで、タンパク質の過剰摂取による悪影響を抑え、摂取効果を高めることができる。我々はこれまでにα-シクロデキストリン(α-CD)を用いることで、キウイフルーツに含まれるプロテアーゼのアクチニジンの活性を安定させたキウイフルーツ-α-CD粉末を調製できることを報告している。そこで今回は、ほかの植物由来プロテアーゼ活性に対しても同様に安定化することができるかを検討するために、パイナップルとダイコンに対してCDを用いて粉末化し、その粉末中の酵素活性に対する安定性を評価した。
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シクロデキストリンシンポジウム
部分アセチル化シクロデキストリンの合成検討
秋田知己、石田善行、寺尾啓二
第42回シクロデキストリンシンポジウム(神戸)(2026.09.10-11).
化学修飾型のシクロデキストリン(CD)としてメチル化、ヒドロキシプロピル化は水への溶解性が改善された誘導体として多くの需要があり、工業生産品として大規模に生産されている。しかしながら、これらの誘導体は食品添加物として扱えないため、CDの応用技術として最も広く期待される食品分野においては新たな高水溶性のシクロデキストリン誘導体が望まれている。一方で、光合成細菌が1ないし2置換の部分アセチル化CDを生合成していることが発見されており、自然界に存在するCD誘導体として食品応用へのハードルが最も低いと考えられる。これまでに、我々は水に溶けないCD誘導体である全アセチル化CDの経済的で簡便な合成法を開発し、CDの新たな応用技術開発に向けて注目してきた。本研究ではこの合成方法を改変・応用することで、食品応用が期待される高水溶性の部分アセチル化CDの経済的な製造法の開発を試みた。
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シクロデキストリンシンポジウム
健康な若年成人女性の腸内細菌叢に対するγ-シクロデキストリン摂取の有益性
古根隆広、近本啓太、行武詩織、長谷川莉沙、石田善行、寺尾啓二、吉川豊、奥野直
第42回シクロデキストリンシンポジウム(神戸)(2026.09.10-11).
健康な若年成人女性において、腸内環境に関係する便秘症状に加え、身体活動不足の蔓延とそれに伴う正常体重肥満のリスクに対する懸念が問題視されている。食品素材として広く使用されているγ-シクロデキストリン(γ-CD)の摂取は、動物実験において持久力向上や腸内細菌叢の調節効果を発揮することが近年報告されているが、ヒトに対する効果については未だ明らかにされていない。我々は、健康な若年成人女性を対象にしたγ-CDの摂取効果について検討し、γ-CDの継続摂取が運動後の疲労感や体脂肪率の低減、ならびに便秘の改善に寄与する可能性があることを昨年の本大会にて報告した。本発表では、腸内細菌に関する詳細な解析を行ったところ、非常に興味深い知見が得られたため、その結果について報告する。
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シクロデキストリンシンポジウム
γ-シクロデキストリン摂取による伸張性筋収縮誘発性筋損傷の軽減効果
石田善行、東田一彦、井圡良一、近本啓太、寺尾啓二
第42回シクロデキストリンシンポジウム(神戸)(2026.09.10-11).
γ-シクロデキストリン(γ-CD)は、α-CDやβ-CDとは異なり、消化管内のアミラーゼによって分解される性質を有する。さらに、γ-CDは小腸内で胆汁酸を包接することで消化速度が遅延することが報告されており、ヒトにおいてマルトデキストリンと比較して食後血糖値の上昇が緩やかであることが示されている。そのため、γ-CDはスポーツ分野において持続的なグルコース供給を可能とするエネルギー源として注目されている。我々はこれまでに、健康な若年成人女性において、γ-CDの継続摂取が有酸素性運動後の疲労感を軽減することを報告した。しかしながら、筋力トレーニングなどの無酸素性運動に対するγ-CDの効果については明らかとなっていない。そこで本研究では、伸張性筋収縮誘発性筋損傷モデルマウスを用いて、γ-CDの摂取が筋損傷に及ぼす影響について検討した。
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シクロデキストリンシンポジウム
シクロデキストリンを用いたレモングラス精油の粉末化ならびに香気成分シトラールの安定化
上梶友記子、石田善行、北谷寿朗、寺尾啓二
第42回シクロデキストリンシンポジウム(神戸)(2026.09.10-11).
奈良県吉野郡下市町の西部に位置する平原地区では、集落の耕作放棄地を活用して完全無農薬のレモングラスを栽培し、ハーブティーや飴などの特産品を開発・販売する取り組みが行われ、好評を得ている。レモングラスはイネ科の多年草のハーブで、水蒸気蒸留法で抽出された精油は生活のさまざまなシーンで活用されている。レモングラス精油の主成分であるシトラールは、幾何異性体であるネラール(cis-シトラール)とゲラニアール(trans-シトラール)の混合物である。精油の利用に関しては、香気成分シトラールの持続性が課題とされており、持続性を高めることができれば、さまざまなレモングラス製品への応用が期待される。シクロデキストリン(CD)がシトラールの安定性や水溶性といった物理化学的特性を改善することは先行研究で報告されており、CDの適用は課題解決のために極めて有望である。本研究では、奈良県平原地区で栽培されたレモングラスに着目し、その精油に含まれるシトラールの安定性および持続性の向上を目的として、CDによる包接粉末化を検討した。