• HOME
  • 最新研究成果
  • 今、シクロケムが注目していること
  • 自社論文
  • CDの応用分野
  • 世界のCD食品規制
  • CDのホスト・ゲスト対応表
  • 会社概要
  • お問い合わせ
最新研究成果
α-シクロデキストリンに含有する脂肪酸分析

for English page

シクロデキストリンと脂肪酸

シクロデキストリン(以下、CD)の原料となるトウモロコシデンプンには微量のコーン油が含まれる。そのCDの本質的な特性から、コーン油由来の脂肪酸(Palmitic acid, Linoleic acid, Oleic acidなど)が極微量、α-CDの製品中に残存してくるケースがある。これら残存脂肪酸が微量でも存在すると、α-CD溶解度範囲内でも不溶物が生ずるなど、利用用途によっては追加精製を行った試薬とは異なった挙動を示すため、注意が必要である。

そこで本検討では、工業生産されたα-CD中に含まれる脂肪酸組成を明らかにするとともに、これら物質がα-CD水溶液の濁度に及ぼす影響について検討を行った。

研究の目的

工業生産されたα-CDとして、Wacker Chemie製 CAVAMAX W6 FOODを用い、各種製造ロット上のα-CDに含まれるオイル成分を抽出する。その後、食品添加物分析手順に従ってGC-MS分析から脂肪酸組成を決定した。
α-CD飽和水溶液の濁度を目視観察から確認し、α-CDに含まれる脂肪酸含量と濁度の関係について検討した。
0.8mmフィルター通過前後におけるα-CD飽和水溶液の濁度を、濁度の指標とされる660nmにおける吸光度から測定し、濁度に及ぼす浮遊微粒子の影響について検討した。

試験対象のα-CD

α-CD飽和水溶液の濁度の評価方法

α-CDに含まれている脂肪酸組成



工業生産されたα-CD中には、 CDの原料であるトウモロコシデンプンに由来するパルミチン酸, リノール酸, オレイン酸がごく微量含まれ、その存在比率は74.0%, 17.9%, 8.0%と、パルミチン酸の比率が顕著に高かった。これは、コーン油の一般的な脂肪酸組成(10%, 59%, 26%)と比較して大きく異なった。

視覚観察によるα-CD飽和水溶液の濁度

α-CDの製造ロット間で、水溶液の濁度・色調にばらつきがみられた。

α-CD飽和水溶液のUVスペクトル


工業生産されたα-CDの660nmにおける吸光度は定量用標準試薬(Standard)と比較して1.9〜107.8倍(平均34.1倍)大きかった。

0.8mmフィルターろ過後のα-CD飽和水溶液のUVスペクトル


α-CD飽和水溶液の濁度は0.8 mmフィルターを通すことで顕著に減少した。

0.8mmフィルターろ過前後でのα-CD吸光度変化

α-CD水溶液の濁度の要因として、浮遊微粒子による影響が推察される。

α-CD中のオイル含有量と濁度の比較

α-CD中のオイル成分含有量と飽和水溶液の濁度には有意な相関がみられた。

α-CDの水への溶解度

濁りの主な原因となる浮遊微粒子の量はごく僅かであり、工業生産されたa-CDの溶解度は定量用標準試薬(Standard)と殆ど変わらない。

実験結果

工業生産されたα-CD中には、CDの原料であるトウモロコシデンプンに由来するPalmitic acid, Linoleic acid, Oleic acidがごく微量含まれ、その存在比率は74.0%, 17.9%, 8.0%と、Palmitic acid比率が顕著に高かった。これは、コーン油の一般的な脂肪酸組成(10%, 59%, 26%)と比較して大きく異なった。
工業生産されたα-CD飽和水溶液の濁度は、定量用標準試薬と比較して平均34.1倍高かった。しかし、0.8mmフィルターで処理することで大幅に低減したため、濁度の要因は水溶液に存在する浮遊微粒子の影響によるものと思われる。
α-CD中のオイル成分含有量とα-CD飽和水溶液の濁度には有意な相関がみられた。
α-CDの脂肪酸に対する結合定数は、脂肪酸の疎水性強度に依存して大きいことが報告されている1)。その為、Palmitic acidは一度α-CDに包接されると解離し難く、製品中にごく微量ではあるが残存するものと推察される。

1) 山本 達之・太良 紀雄・秋原 靖男・松井 佳久, 第20回シクロデキストリンシンポジウム講演要旨集(2002, 千葉) pp. 124-125

相談コーナー

ご質問やご相談がございましたら、以下のジャンルからお問い合わせをお願いいたします。

  • CD、CD包接体はこちら
  • 受託製造についてはこちら
  • 出張セミナーについてはこちら