難消化性αオリゴ糖のちから(2)短鎖脂肪酸産生とミネラル吸収|株式会社シクロケムバイオ
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研究情報
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難消化性αオリゴ糖のちから(2)短鎖脂肪酸産生とミネラル吸収

前回、難消化性オリゴ糖は、カロリー別に『0kcal, 1kcal, 2kcal』の3種類があり、難消化性オリゴ糖のカロリー数(エネルギー換算係数)が高いと、発酵分解率は高く、短鎖脂肪酸の産生量、つまり、善玉菌支配のためのエネルギー量が高くなります。したがって、『腸活』にはエネルギー換算係数が2kcalである難消化性オリゴ糖がお薦めだと述べました。

難消化性αオリゴ糖はエネルギー換算係数が2kcalの難消化性オリゴ糖のカテゴリーに含まれるのですが、腸内細菌叢の変化、短鎖脂肪酸の産生量、ミネラル吸収に関して、このカテゴリーに含まれる他の難消化性オリゴ糖と難消化性αオリゴ糖を比較した検討はこれまでにありませんでした。そこで、シクロケムバイオの研究グループはラットを用いて難消化性αオリゴ糖と乳果オリゴ糖の比較検討を行っています。この研究結果は、まだ学会発表や論文発表の前ですので簡単な紹介とさせていただきます。

乳果オリゴ糖は難消化性オリゴ糖の中でもビフィズス菌に選択的に資化されることによって整腸機能を発揮するオリゴ糖として開発されました。短鎖脂肪酸産生量が多く、腸の蠕動運動や腸管からの水の分泌を促進すると同時に腸管内を酸性に保ち、腸内細菌叢の改善、有害物質産生抑制、ミネラルの吸収促進作用、便通の改善効果をもたらすことが知られています。特に、ミネラルの中でもカルシウムの吸収に関しては、骨粗鬆症による寝たきり老人の問題やダイエット目的に食事制限をする若い女性、運動不足の児童による骨密度減少の問題に対してカルシウム摂取によって丈夫な骨を形成することは世代を越えた重要な課題となっています。乳果オリゴ糖の摂取はこのような不足しがちなカルシウムやマグネシウムの吸収率を高めることが分かっています。この乳果オリゴ糖は特定保健用食品をはじめ、『オリゴのおかげ』という人気のシロップ(甘味料)製品にも使われていて、『腸活』に利用されている代表的な難消化性オリゴ糖ですので、難消化性αオリゴ糖の比較対象の難消化性オリゴ糖として選択しています。

ラットを餌の組成によって4群(①通常食(食物繊維を含まない)、②αオリゴ糖食(通常食のブドウ糖に置き換えて5.5%のαオリゴ糖添加)、③乳果オリゴ糖食(通常食のブドウ糖に置き換えて5.5%の乳果オリゴ糖添加)、④併用食(通常食のブドウ糖に置き換えて2,75%のαオリゴ糖と2,75%の乳果オリゴ糖添加)に分けて、それぞれの食餌を与えながら4週間飼育し、盲腸内容物の重量と各種短鎖脂肪酸量、そして、pHについて、4群を比較検討しています。

その結果、盲腸内容物重量はαオリゴ糖食群で正常食群に比べて有意(p<0.05)に増加すると同時に盲腸内容物に対する短鎖脂肪酸量も全有機酸量としてαオリゴ糖群が正常食群、および、乳果オリゴ糖群に比較して最も増加すること、そして、pHもαオリゴ糖群で最も低下することが明かとなりました。

図1. 難消化性オリゴ糖摂取による盲腸内容物重量変化
図1. 難消化性オリゴ糖摂取による盲腸内容物重量変化
図2. 難消化性オリゴ糖摂取による盲腸内短鎖脂肪酸量変化
図2. 難消化性オリゴ糖摂取による盲腸内短鎖脂肪酸量変化
図3. 難消化性オリゴ糖摂取による盲腸内pH変化
図3. 難消化性オリゴ糖摂取による盲腸内pH変化

難消化性オリゴ糖は発酵分解によって生じた短鎖脂肪酸が腸管内のpHを低下させるために各種ミネラルの溶解性を高め、吸収効率を上昇させることが知られています。つまり、短鎖脂肪酸産生量とpH低下によって、αオリゴ糖は乳果オリゴ糖よりもミネラル吸収の効果はさらに高くなる可能性が示唆されました。

また、このシクロケムバイオのラットによる動物試験によって、乳果オリゴ糖は善玉菌であるビフィズス菌増殖に有効でありましたが、乳酸菌増殖にそれほど影響はありませんでした。一方、難消化性αオリゴ糖は乳酸菌の増殖に有効であり、ビフィズス菌の増殖に関しても、乳果オリゴ糖ほどではありませんでしたが、同様に増殖作用を示すこと、さらに、乳果オリゴ糖と難消化性αオリゴ糖を併用すると乳酸菌とビフィズス菌の双方に対して高い増殖作用を示すことが明らかとなっています。詳しくは、今後の学会発表や学術論文発表をお待ちいただきたいと思います。