コロナ感染対策には適度な運動を毎日継続することがお薦め|株式会社シクロケムバイオ
株式会社シクロケムバイオ
日本語|English
研究情報
今、注目していること
2021.01.28 掲載

コロナ感染対策には適度な運動を毎日継続することがお薦め

前々回のタイトルは『コロナ感染対策にはヒトケミカルの摂取がお薦め』でした。前回はその‟ヒトケミカル“を‟難消化性オリゴ糖”に変えたタイトルでした。そして、今回はその‟難消化性オリゴ糖“を‟適度な運動を毎日継続すること”に変えたタイトルです。つまり、このシリーズでお伝えしたいのは『コロナ感染対策にはヒトケミカルと難消化性オリゴ糖の摂取と1時間ほどの適度な運動、例えば1日1万歩など、毎日継続して行うことがお薦め』ということです。これらのことを実践すれば唾液量が増加し、唾液中に含まれる免疫物質の免疫グロブリンA(IgA)濃度も高まり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19、以下、コロナ感染症という)のリスク低減になるのです。

1時間の適度な運動が忙しくて毎日継続できない場合はソニックスという音波振動マシンに10分間だけでも乗ると1時間の運動と同等の運動量が確保できますのでお薦めです。このソニックスは3~50Hzの音波振動を発生させ、人体の各器官と細胞に振動を浸透させて血液中の細胞循環を良くして、酸素を全身の細胞に届けやすくしますので、美容と健康の維持に効果的です。

音波振動マシン(ソニックス)
音波振動マシン(ソニックス)

東京大学名誉教授で微生物学者の小柳津氏の本『コロナに殺されないたった1つの方法』が自由国民社から2020年11月13日に発売されて、反響を呼んでいます。その‟たった1つの方法“とは、酪酸菌を増やすことで自然免疫を高め、コロナに罹らない、罹ったとしても簡単に治すという方法です。本の中で「ワクチンで抗体を作れば救われる」との考え方は科学的に間違っていて自然免疫を高めるとコロナを撃退できる、とこの本では解説されています。

さらに、新型コロナウイルスに感染する人としない人の違いはどこにあるのか?この本では腸内の酪酸菌量の違いであるとしていて、大腸内の酪酸菌量が増えると新型コロナウイルスには感染しなくなるとのことで、これはまさしく「今、注目していること」で前々回からお話している腸内の酪酸産生量が増えると唾液と唾液中のIgA濃度が増えて感染を防御することに関連しています。

また、この本では大腸内の酪酸菌を増やすにはゴボウや菊芋に含まれている「食物繊維」の難消化性オリゴ糖であるフラクトオリゴ糖を摂ることを勧めています。酪酸菌のエサになって酪酸が増え、そして、酪酸菌が増えるからです。

以下の記事では、適度で継続的な運動が腸内の酪酸を増やすことを示した論文を紹介しています。
ヒトの腸内酪酸産生に対する運動の影響

難消化性オリゴ糖の食物繊維を摂取すると同じように運動することが腸内の酪酸菌を増やし、同時に、酪酸を増やすようです。では、今回のタイトルの運動によって新型コロナウイルス感染を防ぐ唾液のIgAが増えることを実証した論文はあるか…となるわけですが、その報告が実際にあるのです。

東京大学のAkimotoらの研究グループの2003年の報告です。

Effects of 12 months of exercise training on salivary secretory IgA levels in elderly subjects T. Akimoto et. al., Br. I. Sports Med 37, 76-79 (2003)

高齢者の唾液IgA分泌に対する運動の効果を実証しています。座り仕事の多い健康な高齢者45人(男性18人、女性27人、平均年齢64.9歳)を対象にして、週に2回最大心拍数60%程度の軽めのレジスタントトレーニングと持久力トレーニングを60分間、12ヶ月間続けて行ってもらいました。そして、トレーニング前、トレーニング中の4ヶ月目と12ヶ月目に唾液流量、唾液中IgA流量、唾液中IgA濃度を測定したところ、唾液流量は増加の傾向があり、IgA流量と濃度は何れも顕著に有意(P < 0.01)に増加することが明らかとなっています。

図1. 中程度の運動による高齢者の唾液IgAの増加
図1. 中程度の運動による高齢者の唾液IgAの増加

このように前々回と前回のヒトケミカルと難消化性オリゴ糖の摂取による唾液中IgAの増加と同様に中程度の無理をしない1時間程度の運動も唾液中のIgAを増やす効果があるようです。また、1時間の運動が難しい人はたった10分でいいのでソニックスの上に乗り、唾液IgAを増やして免疫力を高め上気道による新型コロナの感染を予防しましょう。