頻尿対策のためのノビレチンγオリゴ糖包接体の利用|株式会社シクロケムバイオ
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2021.06.14 掲載

頻尿対策のためのノビレチンγオリゴ糖包接体の利用

『夜間に数度トイレに起きなければならない』『昼間でも尿が近くて何度もトイレに行かなければならない』『尿の勢いがない』『排尿に時間がかかる』など、実に多くの人が排尿の問題を抱えています。

日本排尿機能学会の2002年に行われた排尿に関する疫学的研究では、夜間頻尿がある人(夜間一度以上トイレに起きる人)は約4500万人、昼間頻尿(一日に8回以上排尿する人)は3300万人、尿に勢いのない人は1700万人います。年齢と共にこれらの症状は増加し、60歳以上では5人中約4人(80%)もの人が何らかの排尿問題を抱えています。

図1. 日本における排尿関連の患者数
図1. 日本における排尿関連の患者数

特に、夜間頻尿による慢性的な睡眠不足は昼間の日常生活に支障をきたし、生活の質を著しく低下させてしまいます。単に排尿のために夜起きるだけではなく暗い中トイレに行くことによって、転倒によるけがや骨折の危険性も高まり、寝たきりの原因になることもあります。就寝して排尿のために3回以上起きる人は60歳代で20%いて、80歳代になると50%にもなります。そして、この夜間頻尿は前立腺肥大症が原因の男性の病気と思われがちですが、実際には女性患者も多く、男女差はありません。夜間頻尿は前立腺肥大症、過活動膀胱などの尿路の病気だけではなく、高血圧、糖尿病、睡眠時呼吸症候群などの基礎疾患を持つ人にもみられる症状なのです。

夜間頻尿が起こる大きな原因の一つに過活動膀胱があります。過活動膀胱には抗コリン薬が用いられていますが、抗コリン薬には口渇や便秘などの副作用があり、継続的に服用できない人もいます。

一方、シークヮーサー果皮抽出物に含まれているポリメトキシフラボンのノビレチンは抗炎症、抗肥満、抗糖尿病、認知機能改善などさまざまな生理活性や健康機能を持つ物質ですが、膀胱容量を増やす作用のあることも報告されています。そこで、沖縄県の北上中央病院はノビレチンの高純度粉末の排尿障害に対する有効性と安全性に関する臨床試験を行い、その結果を2020年に論文化しています。(診療と新薬 2020; 57: 915-921)

そこで、この『健康まめ知識』では、まず、その方法と結果を紹介し、次に、水に不溶なノビレチンの水への溶解性を高めることで生体利用能を高める手段としての環状オリゴ糖の利用について説明します。

まず、北上中央病院の論文内容です。2ヶ月以上前蓄尿障害がある未治療成人ボランティア 40名をプラセボ群(男8名、女12名、平均49歳)とノビレチン群(男5名、女15名、平均48歳)に分け、ノビレチン群は市販のノビレックスPMF90の100mgを1日1回朝に摂取し、プラセボ群はプラセボを1日1回朝に摂取し、それぞれ6週間継続しています。そして、開始前、摂取3週後と6週後に問診票で昼間と夜間の排尿回数、過活動膀胱症状スコア(OABSS)と国際前立腺症状スコア(IPSS)を記載してもらっています。その結果、ノビレチン群では摂取6週後に、夜間排尿回数、OABSSの夜間排尿回数と合計スコア、IPSSの残尿感、頻尿と合計スコアおよびIPSS-QOLスコアが有意に改善することが明かとなっています。ここでは、夜間の排尿回数と過活動膀胱症状スコア(OABSS)の結果のみを示しておきます。

図2. ノビレチン摂取による夜間頻尿回数の減少
図2. ノビレチン摂取による夜間頻尿回数の減少

このようにノビレチンには夜間の排尿回数を減少させる効果が期待できるのですが、この結果は、シークヮーサー果皮から抽出するノビレチンの高純度品を毎日100mgも摂取した場合に得られたものです。その毎日100mgも摂取しなければならない理由はノビレチンの構造にあります。ノビレチンはフラボノイドの水酸基のすべてがメトキシ化されていて水溶性が極端に低いために生体吸収性も低いと考えられます。

しかしながら、環状オリゴ糖を用いるとノビレチンの水への溶解度は大きく上昇します。αオリゴ糖の場合は4.7倍、γオリゴ糖の場合は14.6倍も上昇することが明かとなっています。よって、ノビレチンのγオリゴ糖包接体を摂取することで、ノビレチン単独よりもさらに排尿回数の低減効果は高めることができると考えられます。

図3. 環状オリゴ糖によるノビレチンの水への溶解度の向上
図3. 環状オリゴ糖によるノビレチンの水への溶解度の向上

このノビレチンγオリゴ糖包接体はパーソナル化サプリメントのトッピング成分の一つです。夜間頻尿でお悩みの方、ご家族にお悩みの方がおられる場合はご検討ください。私の身近で悩んでいる人がいるためにトッピング成分の一つとしました。

尚、私の身近な人は高血圧治療薬のカルシウムチャンネル拮抗薬のアムロジピンを服用しており、医師からグループフルーツを摂取することを禁止されています。その理由はグレープフルーツに含まれるフラノクマリンという成分がアムロジピンの体内の濃度を高めて副作用の出る恐れがあるからです。シークヮーサーはグレープフルーツと同じ柑橘系ですがフラノクマリンは含有しておりませんのでご安心ください。