大麦若葉の効能(3) 便秘改善効果|株式会社シクロケムバイオ
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2019.2.15 掲載

大麦若葉の効能(3) 便秘改善効果

朝の一杯目は『マヌカハニー青汁』に砂糖と牛乳を入れた青汁ミルクにしてみませんか?ホットでもコールドでも抹茶ミルクのように美味しくいただけます。そして、健康的です!

このシリーズは、『大麦若葉の効能』とのタイトルで、『マヌカハニー青汁』の青汁原料である大麦若葉の効能を紹介しています。

(1)では、大麦若葉に含まれる生理活性物質の中でも特異で顕著な抗酸化作用を有する物質である2"-O-グリコシルイソビテキシン(GIV)について紹介し、(2)では、もう一つの大麦若葉に含まれる特異な生理活性物質で成長ホルモン生成促進作用のあるビタミンEの誘導体について紹介しました。今回は、2004年に福岡女子大学の池口らのグループが日本食物繊維学会誌に投稿された論文で、大麦若葉の便秘改善効果に関する検討について紹介します。

『大麦若葉末を摂取した健常成人女性の糞便湿重量および糞便内細菌叢への影響』
日本食物繊維学会誌Vol. 8, No.2, 93~1003 (2004)

対象者は福岡女子大学に在籍する成人女性の健常者8名です。そして、その8名の内、便秘者(1週間当たりの排便回数が0~2回)は1名、便秘傾向者(1週間当たりの排便回数が3~4回)は2名、排便回数が少ない者(1週間当たりの排便回数が5~6回)は2名、排便回数が普通・多い者(1週間当たりの排便回数が7回以上)は3名です。

対照食品はマルトデキストリン100%で食物繊維を含まない食品で、試験食品は大麦若葉の食物繊維が100g中に24.1g含む顆粒で、1包は3.0gです。そして、試験は摂取量を変えて2回行っています。

試験①:試験食品は1日あたり3包摂取(大麦若葉末6.0g, 食物繊維2.2g)
試験②:試験食品は1日当たり5包摂取(大麦若葉末10.0g, 食物繊維3.6g)

そして、試験①も試験②も対象者8名を4名ずつ2郡に分けて、クロスオーバー試験で行っており、対象食品からの群と試験食品からの群は前観察期間7日間、第1摂取期間7日間、休止期間7日間を経た後、第2摂取期間は対象食品と試験食品を換えて摂取しています。

図1. クロスオーバー試験
図1. クロスオーバー試験

では、まず、試験①における糞便湿重量の変化です。対照食品摂取期間と比較して試験食品摂取期間に糞便湿重量が10%以上増加した対象者は8名中3名いました。そして、便秘者の糞便湿重量の増加は顕著であり、3.5倍(365.6%)以上でした。

表1. 各対象者における糞便湿重量の変化(試験①)
表1. 各対象者における糞便湿重量の変化(試験①)

試験②では8名すべての対象者における糞便湿重量は10%以上の増加が認められ、そのうち3名は50%以上増加しました。便秘傾向者でも糞便湿重量の増加は70%以上で、便秘者は3倍(296.8%)程度の増加が認められました。試験②では糞便湿重量が変わらなかった便秘傾向者も試験②では114.4%の増加が認められました。

表2. 各対象者における糞便湿重量の変化(試験②)
表2. 各対象者における糞便湿重量の変化(試験②)

このように大麦若葉には便秘者においては摂取量が少なくても便通改善作用のあることが明らかとなりました。

この論文では、さらに、糞便内細菌叢に及ぼす影響も検討しています。

各糞便内細菌の菌数に大きな変化はありませんでしたが、大変興味深いことに、対照食品と比較して試験食品を摂取することで悪玉菌のLecithinase(+)Clostridiumの検出率はは63%から38%に、そして、同じく悪玉菌のLecithinase(-)Clostridiumの検出率は100%から88%へと減少しました。総数で有意差がなかった理由としては、大麦若葉は腸内細菌叢に利用されにくく腸内での発酵を受けないものと考えられます。一方で、大麦若葉の便通改善作用は大麦若葉に含まれる不溶性食物繊維の腸管内での物理的作用に起因すると推測されます。

このように、『マヌカハニー青汁』は、マヌカハニーαオリゴ糖粉末(MAP)と大麦若葉が配合されていますが、MAPによる善玉菌であるビフィズス菌と乳酸菌、および、最近注目されてきているヤセ菌のバクテロイデス菌の増加作用、さらには、大麦若葉による悪玉菌の減少作用による腸内環境改善効果が期待できますが、同時に、大麦若葉の不溶性食物繊維による便秘改善効果も期待できるという素晴らしい青汁なのです。