フルーツの王様と呼ばれるキウイフルーツとは|株式会社シクロケムバイオ
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2013.09.26 掲載

フルーツの王様と呼ばれるキウイフルーツとは

『蜂蜜の王様』といえば、ニュージーランドのマヌカハニーですが、ニュージーランドには、もう1つ“王様”と呼ばれる特産品があります。それは『フルーツの王様』、キウイフルーツです。

キウイフルーツの原種は、中国のシナサルナシ(オニマタタビ)というマタタビ科の植物ですが、20世紀の初めにニュージーランドに移入され、長い年月をかけて改良され、現在の栄養成分が豊富なキウイフルーツになりました。

『フルーツの王様』とまで呼ばれる、キウイフルーツの特徴的な栄養成分は、ビタミンA前駆体(β-カロテン)、ビタミンC、ビタミンE、葉酸、カリウム、食物繊維のペクチン、ヘミセルロースのアラビキシラン、そして、タンパク分解酵素のアクチニジンなどです。アクチニジンに関しては、以前に説明していますので下記をご確認下さい。
タンパク質を分解するタンパク質分解酵素プロテアーゼもタンパク質

アクチニジンとともに健康増進のためのすばらしい成分が、食物繊維のペクチンとアラビキシランです。アラビキシランは、プレバイオティックとしてビフィズス菌や乳酸菌など善玉菌の増殖作用があり、ペクチンは酢酸、酪酸やプロピオン酸などの短鎖脂肪酸に変換され、腸管内を酸性環境にして善玉菌が優位な状態にしてくれます。特に、酪酸は抗菌ペプチドのデフェンシンの発現を誘導し、デフェンシンの消化管粘膜免疫系における働きでウイルスや病原菌に対する自然抵抗力が増進することが知られています。

図1. キウイフルーツの発酵による短鎖脂肪酸(SCFA)の増加
図1. キウイフルーツの発酵による短鎖脂肪酸(SCFA)の増加
図2. キウイフルーツの発酵によるデフェンシンの発現
図2. キウイフルーツの発酵によるデフェンシンの発現

実は、α-シクロデキストリンは食物繊維として、キウイフルーツとまったく同様の効果を有しています。α-シクロデキストリンはタンパク分解酵素のアクチニジンを安定化すると同時に、腸管内では酪酸などの短鎖脂肪酸に変換され、デフェンシンの発現も助けてくれます。α-シクロデキストリンとキウイフルーツ、すばらしい組み合わせだと思いませんか?

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