株式会社シクロケム
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マヌカハニーとその抗菌物質MGO(食物メチルグリオキサール)(3)

健康効果が期待できるのはMGO100以上のマヌカハニー

MGO100以上のマヌカハニーには、その強力な抗菌作用により虫歯や歯周病、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などに効果が期待できるとされます。また、マヌカハニーとα-シクロデキストリン、何れも抗菌性とともに腸内環境改善作用をもち、両者の相乗作用に大きな注目が集まります。マヌカヘルスニュージーランド社とシクロケム社とのパートナーシップによる、新しい製品づくりへの展望も語られ、大いに意気が上がる対談となりました。

ピロリ菌による胃や十二指腸の不調にマヌカハニーが効果を発揮

寺尾:MGOはどの程度の含有量から、健康効果が期待できると考えられますか。

ポール:各種の試験によって、MGO100以上ということがわかっています。ヘリコバクター・ピロリ菌による胃や十二指腸の不調には、胃潰瘍や十二指腸潰瘍なども含めて、1日3回、食事の30分前に、マヌカハニーMGO100以上を5gずつ摂取することを勧めています。ただし、マヌカハニーはもともと天然の食品ですから、摂取量に制限はありませんし、副作用の心配もありませんから、不調を感じたらその都度、摂取してもらって結構です。体験談をひとつ紹介すると、米国からの報告ですが、若く丈夫だった男性が突然倒れ、病院に運び込まれたところ、ピロリ菌が原因の出血性十二指腸潰瘍であることが判明。それで、基本的な治療法である三種混合の抗生物質を投与してもらいましたが、治癒しなかったそうです。そんなとき、担当医師から、マヌカハニーがピロリ菌の殺傷に効果があることを教えてもらい、さっそくMGO250マヌカハニーを摂ったところ、3ヶ月後の検査でも12ヶ月後の検査でもピロリ菌は陰性を示したということでした。

寺尾:マヌカハニー摂取によるピロリ菌に対する抗菌効果は、科学的にもきちんと裏付けられています。一例を挙げると、[表1][表2]をみてもらうとわかるように、胃潰瘍生検からの分離株を用いたヘリコバクター・ピロリ菌に対する感受性試験で、マヌカハニーの抗菌効果が確認されています。

表1

表2

ポール:寝つきの悪い人や不眠症の人が、就寝前にマヌカハニーを摂取したところ、よく眠れるようになったという報告も数多く届いています。また、マヌカハニーは虫歯や歯肉炎、歯周病などにも効果のあることが明らかにされています。

寺尾:日本の日本歯科大や鶴見大をはじめ、いろいろな研究機関で、口腔ケア分野の試験も行なわれていますが、そのひとつを紹介してみます(*English HK et al ; journal of the International Academy of Periodontology. 6[2]63[2004])。試験方法は、ハニーレザー(マヌカハニー含有棒状ガム)か、あるいはシュガーレスガムを無作為に15名ずつに与え、毎日3回、食後毎に10分間、噛んでもらい、歯垢と歯肉炎出血スコアを試験期間21日の前後で記録したものです。その結果、ハニーレザー被験者では平均の歯垢スコア(P=0.001)と出血部位%(P=0.001)で有意な減少を示しました。それに対して、シュガーレスガム被験者では、歯垢スコア、出血部位%の何れも、何ら有意な変化を示しませんでした。これは、歯肉炎と歯周病の治療におけるマヌカハニーの治療的役割の可能性を示唆するものと考えられます。

マヌカハニーもα-シクロデキストリンも抗菌性と腸内環境改善作用を併せもつ

ポール:優れた抗菌性を示すマヌカハニーは、腸内の悪玉菌を除去するとともに、善玉菌を活性化させ、腸内環境を改善することも各種の試験によって明らかにされています。このようにマヌカハニーは、排水管の掃除のように、口から腸まで消化管の有害菌を撃退してくれ、栄養物質などの体内への吸収を促してくれます。

寺尾:(株)シクロケムの主要製品のひとつであるα-シクロデキストリン(環状オリゴ糖)にも腸内環境を改善する作用が認められ、マヌカハニーとα-シクロデキストリンを一緒に摂取することで、より素晴らしい相乗作用が期待できると考えられます。

ポール:たいへん興味深い取り合わせだと思います。ここで改めて、α-シクロデキストリンの特性について、腸内環境への関与にマトを絞って説明していただけませんか。

寺尾:ご存知のように、α-シクロデキストリンはフタと底のないカップ状の構造をしており、その内部空洞は0.5nmとたいへん微小で、非常に小さな分子を取り込むことができます。カップの内側は親油性で、外側は親水性を示します。そしてα-シクロデキストリンは難消化性・水溶性の性質をもち、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の働きを併せもつ特異な食物繊維といえます。おおまかにいって、口から取り入れたα-シクロデキストリンのほぼ半量は包接作用によって内部空洞に脂質性の物質―過剰な脂肪やコレステロール、胆汁酸、親油性の有害物質など―を取り込み、不溶性食物繊維に変身して体外に排出されることに。もう半量は水溶性食物繊維として善玉菌のエサとなって分解され、酢酸、酪酸、プロピオン酸などの有機酸をつくり出し、状来の食物繊維以上に、腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑えて、腸内環境を整えるように働きます。腸内が酸性に傾くことで、殺菌力が高まるとともに、炎症性の生理活性物質の発現を抑制したり、β-グルクロニダーゼの活性を抑えて大腸がんの予防に効果を示すことなどもわかっています。もちろん、整腸作用を促し、便秘や下痢の予防・改善にも効果を発揮します。

ポール:腸内の善玉菌を増やすといえば、α-シクロデキストリンの摂取により、ビフィズス菌が増殖する効果を示す臨床試験の報告をみせてもらったのを覚えています。

寺尾:その試験報告(*ワッカー社のデータ)は、α-シクロデキストリンを10人に1日当たり3g、3週間にわたり摂取してもらったところ、便中のビフィズス菌の平均量が摂取前は10%であったのが、じつに3倍以上の約35%に増加することが確認されたものです。

ポール:驚くべきことにα-シクロデキストリンには、溶菌作用のあることも明らかされていますよね。

寺尾:その通りです。α、β、γなど各種シクロデキストリンの細菌(バチルスハロデユランス)に対する溶菌作用を調べた試験で、α-シクロデキストリンは細菌の細胞壁を溶かし、優れた溶菌率を示しています(*表3参照)。また、α-シクロデキストリンの各種細菌に対する溶菌作用を調べた試験では、ブドウ球菌や大腸菌、セレウス菌などに対する溶菌作用が確認されています(*表4参照)

表3

表4

ポール:こうしてMGOとα-シクロデキストリンは両者ともに、抗菌性と腸内環境改善作用を併せもつわけで、その相乗作用を考えると文字通り、これまでにないような腸への著しい健康効果が期待できますね。

寺尾:マヌカハニーとα-シクロデキストリンを一緒に摂取したときの、黄色ブドウ球菌に対する抗菌性相乗効果を示す試験報告がありますが、期待にたがわず、素晴らしいデータが明らかにされています(*表5参照)。シクロケムとしても、これから前向きに研究・開発を進めて行って、エビデンスに基づいた製品化に結びつけたいと夢を膨らませています。

表5

ポール:協力し合って、いい製品を生み出しましょう。私どもMHNZは今後とも、世界の人々の健康・福祉のために、グローバルなスタンスで各研究機関や研究者とネットワークし、科学的裏付けのある機能性食品はもとより、医療関係の分野で役立つ各種の製品づくりに、より積極的に取り組んでいきたいと考えています。

寺尾:今回の対談では、「科学」を大切にする会社同士であり、人間同士であることが再確認でき、よいパートナーシップを発揮し合えることにいっそう確信がもてました。お互いにますます頑張って行きましょう。


終わりに

ポール:マヌカハニーとα-シクロデキストリンを一緒に摂取することで、より素晴らしい相乗作用が期待できると考えられます。研究・開発を進めて行って、エビデンスに基づいた製品化に結びつけたいと夢を膨らませています

寺尾:天然素材を使用し、その効果・効能に関して科学的裏付けのある革新的な製品をつくり、世界の人たちの健康や福祉に貢献したい、というのがマヌカヘルスニュージーランド社の理念の核です

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