
マヌカハニー、マヌカハニーファイバー(MAP)

マヌカハニーは、ニュージーランドに自生するマヌカの花を蜜源にする蜂蜜です。
マヌカハニーはMGOという特徴的な抗菌物質を多く含むため、高い抗菌活性を示します。他にも、抗酸化作用や抗炎症作用などが報告されています*1。
マヌカハニーファイバー(MAP)は、400mg/kg以上のMGOが含有している高級なマヌカハニーと機能性成分であるαオリゴ糖を組み合わせた製品です。マヌカハニーだけを摂取するよりも高い機能性が期待できます。
- 病原性細菌に対する抗菌効果
- 整腸作用
- 創傷治癒促進効果
- αオリゴ糖による抗菌活性の向上
- αオリゴ糖による口腔ケア改善の向上
- αオリゴ糖による骨粗鬆症予防の向上

*1:寺尾啓二、マヌカαオリゴパウダーのちから、健康ライブ出版社(2016)
原料の詳細情報
マヌカはニュージーランドに自生する木で、マオリ語で「癒しの木」または「復活の木」を意味します。マヌカは12月頃に開花時期を迎え、この期間にミツバチによって集められ、熟成された花蜜がマヌカハニーとなります。ニュージーランドではマヌカハニーを伝統薬として創傷や風邪症状の緩和のために使用されてきました。
マヌカハニーにはメチルグリオキサール(MGO)と呼ばれる抗菌物質が多量に含まれるため、他の蜂蜜よりも高い抗菌活性を有し、例えば胃に生息するピロリ菌の増殖を抑えることが期待されます。また、腸内の悪玉菌を減らして善玉菌を増やす整腸作用や、創傷や火傷などに塗ることで治癒を促進する効果などが期待されます。さらに、αオリゴ糖により粉末化したマヌカハニー(MGO400+)ファイバー(MAP)は、マヌカハニーの機能性をさらに向上させることが示されています。
マヌカハニーの効果についての研究情報
MAP摂取による口臭の抑制効果
マヌカハニーおよびαオリゴ糖は抗菌作用を有するため、口臭の原因物質をつくる細菌を減らすことが期待できます。
健康な男女7名の口臭に対して、MAPの効果を調べました*2。試験デザインとして、起床してから歯磨きや朝食を控えたときの口臭を測定しました。その後すぐ、マヌカハニーなどのサンプルを3分間口に保持した後に吐き出し、再び口臭を測定しました。各被験者における水摂取前後の変化率を100%としたときの、各サンプルの変化率を相対値として評価しました。その結果、マヌカハニーの摂取により口臭が有意に減少し、MAPでさらに減少しました。また、口腔内の細菌数はマヌカハニーの摂取で減少傾向を示し、MAPの摂取により有意に減少しました。これらの結果から、マヌカハニーおよびMAPは口腔内の細菌を減少または不活性化させることで、口臭を減少させる作用を持つ可能性が示されました。

*2:上野千裕ら, 食品と開発., 56 (11), 74-75 (2021)
MAP摂取による更年期の骨粗鬆症対策
更年期においてホルモンの分泌が低下すると、体重増加や体内に蓄積する脂肪量の増加、骨密度の減少による骨粗鬆症などを発症しやすくなります。これらに対するMAP摂取の効果についての検証が行われ、2015年に論文発表されています*3。この試験デザインとして、卵巣を摘出した更年期障害モデルマウスに普通食または10%MAP配合食を与えたグループと、比較として卵巣を摘出していないマウスに通常食を与えたグループを設定しています。その結果、卵巣摘出により体重と体脂肪の明らかな増加が確認されましたが、MAPを摂取した場合でそれらの増加が有意に抑制されました。また、骨粗鬆症の状態は骨代謝マーカーであるCTXを測定しており、卵巣摘出によるCTXの増加がMAPの摂取により有意に抑制されました。これらの結果から、MAPの摂取が更年期障害における抗肥満と骨粗鬆症予防に有用であることが示されました。

*3:Shinichi Katsumata et al, Int J Food Nutr Sci., 2 (3), 1-6 (2015)
MAPによる美肌効果
MAPは腸内環境を整える効果があるため、肌トラブルを改善することが期待できます。
腸内環境と肌の状態は密接に関係しています。食生活の乱れなどが原因で悪玉菌が優勢になっている腸内では、便を排泄するための腸の蠕動運動が鈍くなり便秘になりやすくなります。また、悪玉菌によって作り出されるアンモニア、フェノール、硫化水素などの腐敗物質が多くなり、それが血管を経由して肌に到達し、肌トラブルを引き起こします*4。
MAPは腸内環境を酸性にすることで、悪玉菌を減らし善玉菌を優勢にすることが報告されています*5。この研究では、MAPに対し人工的な消化の処理(胃、十二指腸および小腸)を行い、それを用いて健常者糞便由来の菌を培養させました。その結果、MAPの消化サンプルの場合では特に乳酸量が多く、それに伴いpHが低下し、善玉菌に有意な環境になりました。さらに、この菌液による他の菌への影響を検討したところ、MAPの消化サンプルで培養した糞由来の菌液は、病原性細菌であるチフス菌を減らし、善玉菌である乳酸菌を増やしました。よって、MAPの摂取は腸内環境を改善し、肌トラブルの原因の一つである悪玉菌由来の腐敗産物を減少させ、肌の健康維持に有用であることが示されました。

*4:Iizalka Ryoko et al., Microb Ecol Health Dis, 21, 221-227 (2009)
*5:Shanthi G Parker et al., J Funct Foods, 31, 266-273 (2017)